行けたんだ! カナダ!!

~三十路兄ちゃんのカナダ生活日記~

多国籍授業(2)

 学校に着いてまずクラス分けのテストを受けた。

 もちろん学校の案内や何もかもが全て英語。どこの教室でテストを受けるのか良く分からない。

 そこに日本人の男の人がテスト会場らしき教室に入って行くのを見かけたので思わず僕は彼を引き止めて、

「すいません、新入生のテストはこの教室ですか?」と日本語で聞いた。

「ゴメンナサイ、ボクハ二ホンジンジャナイデス!」

 そう、彼は韓国人であったのだ。

 まだカナダに来たばっかりの僕は、自分の英語力の無さからかアジア顔はみんな日本人に見えてしまい、助けを求めてしまった。

 長く住んでいると何となく分かるようになるが、最初は間違える事もあった。

 

 レベル分けテストの結果、僕はレベル3(最高はレベル10)に入った。自分自身で全然だめだと思っていたので、レベル3になってまあまあいいじゃんと思ってクラスへ行った。

 最初の授業......、僕はガクゼンとした。

 単語力や文法理解能力はみんな同じくらいなんだけど、とにかくみんな喋る喋る!!

 メキシコ人やブラジル人、それにドイツ人。

 文法的には結構メチャクチャなんだけど、なぜか話しているのである。だから先生もスピードを上げる。みんな結構理解している。僕はそのスピードに付いて行けなかった。

 休み時間直ぐ先生の所に行った。

「レベル3はきつすぎます、レベル1からやりたいんですけど。駄目ですか?」

「そうか分かった、でも君はレベル2でも大丈夫だよ!」先生はそう言ってくれるのだが、僕はレベル3でビビりまくっていたので、何とかレベル1にしてくれと何度も頼んだ。先生はしぶしぶ承知してくれた。

 

 そして僕は、幸か不幸かレベル1に行く事が出来た。そのクラスの内容ははっきり言って小学生レベル。

 最初の授業なんか、先生が教科書に出ている絵を指して「ホワッツ ディス?」みんなで「アップル!」

 まあ、ちょっと極端だけど限りなく真実に近い。

 文法ももちろんBe動詞から。こんなに英語ダメな僕でも、さすがにちょっとレベル落とし過ぎたかなあ?と思っちゃった。

 けどそんな授業でも、先生の言う事を100%理解出来るかと言うと、そんな事はない。時々何言っているのか解らなくなる。

 でも嬉しい?事にレベル1のクラスは、みんな解らなくなるから、安心する。先生が「みんな、わかった?」と聞くと、みんなで顔を見合わせて数秒後......「ウ~ン、NO!」という事が良くある。

 教科書に載っている内容は簡単なんだけど、その英語を英語で、しかも本場の発音で習うのが難しい(学生時代、おじいちゃん先生が言っていた、”ジス イ~ズ ア ぺ~ン” とは訳が違う)。

 宿題は毎日出された。

 問題文がダーッと書いていて、まずそれを訳すのに時間がかかる。それに言っている事、やる事は単純なんだけど、知らない単語が次々と出てくる。これをいちいち調べながらやるから非常に時間がかかる。問題も英語なので、その意味が解らなければ答えも書けやしない。

「形容詞」「現在進行形」「複数」、英語で何て言うかわかる?