細かい事は気にしない
英語力、進歩しているのだろうか?
全然来た時と変わらない様にも思える。
それと最近ちょっと疲れてきた。
友達のチュン・チュン(台湾人)は、僕よりも喋れない事でいろいろ悩んでいる。けれども彼は留学生の従兄と一緒に住んでいて、家に帰れば思う存分中国語で、英語や生活の悩みを従兄に話す事が出来る。
ボールドウィン夫妻はとてもいい人達で、僕に何でも相談するように、いつも言ってくれるのだけど、英語の悩みを英語で説明しようとすると、もっと悩みの種が増える事もある。
家にいる間ずっと、この僕のつたない英語で喋ったり、説明したり、聞いたりする事が、だんだん疲れてきた。
疲れている割りには、英語力がたいして進歩していない。
特にリスニングだ。何言っているのか大体は(ホント大体だけど)解るんだけど、細かい単語が聞き取れない。けどその細かい所が結構重要なのだ!
でもある日、そんな僕を見てローラ母さんは、わざわざ部屋にいる僕を呼び出しソファーに座らせ、励ましてくれた。
「私はここカナダで生まれたから、英語をうまく話す事が出来るのよ。でも私は英語しか話せない」
「あなたは日本で生まれたから日本語がうまく話す事が出来るでしょう。ましてや今あなたは、カナダに住み、まだうまくはないけど英語を話している。カナダで生まれた人間より英語を話せないのは当たり前、だって私だって日本語が話せないもの。あなたは今二つの言葉を話している、私よりも素晴らしいのよ。だから諦めないでがんばって!」
すごく嬉しかった。結構落ち込んでいた時期なので、ローラのその言葉に目頭が少し熱くなってしまった。
いやあ~本当にいい家族だ!ありがたいなあと思った。
こっちの家には食器洗浄機がかなり普及している。汚れた皿をポンポン入れてボタンを一つ押せば、洗い物は終了という訳。
最初からシステムキッチンに組み込まれている物も多い。
でも日本ではあまり普及していない。
機械大好き日本人なら、もっとあってもいいじゃん!と思うんだけど......。
ホームステイして僕は分かった、日本人に食器洗浄機が受け入れられない理由が。
昔なんかの本で、日本は欧米諸国に比べて水道代が高いから、水をたくさん使う洗浄機はなかなか受け入れられない。と読んだ事があった。
もちろん、そういう理由は分かるが、それだけではないと思う。
単刀直入に言うと、食器洗浄機では汚れが完璧には落ちない。油汚れや皿にこびり付いている汚れは、かなり強力な業務用でもなかなか綺麗にはならないのだ!
でもこっちの人は少しくらい汚れが残っていても、あまり気にならないみたい。
ローラは料理が上手な人で、毎日いろいろな料理を作ってくれた。僕が日本人だという事で、たまに白い御飯も出してくれた(ちゃんと茶碗と箸もあるんだよね、これが)。
そんなローラは後片付けも速い。食事が終わって汚れた皿はすすぎもせず、そのまま食器洗浄機にボンボン突っ込む。
そして数分後、ジジジジ~とタイマーが切れる音がして洗い物は終わり。そのまま入れっぱなし。あとは機械の熱気で自然乾燥!
だけどあまりちゃんと汚れが落ちていない皿もあるんだけど、ローラは細かい事は気にしない。
鼻歌を歌いながら、そんな皿でもどんどん棚にしまってしまう。
僕はそんなに綺麗好きではない方だと思う(だからと言って、無茶苦茶汚い訳じゃないよ!平均的な日本男児だと思っている)。
でもそんな僕でも、自分の飲むジュースのコップは棚から出してから、もう一回手で洗ってた。なんかちょっと汚いんだよなあ~!
日本人は世界で一番綺麗好きな国民なんだろうね。だから食器洗浄機は流行らないと思う。やっぱり手で洗った方がきれいだもんなあ~。
でもこっちに住んでいると、そんな事も割と平気になってくる。
日本人がセコセコして、神経質そうに見られるのは、こういう事があるからなのか、潔癖すぎるのかなあ?